秋晴れが続いた11月下旬、市民ミュージアムでは「River / Blue 山口幸士」と題した展覧会を開催しました。山口幸士さんは川崎市出身の画家で、川崎をはじめとした都市の風景を多く描いています。この展示では、川崎に実在する様々な場所を描いた作品を展示しました。誰もが目にするような日常的な風景が、山口さんの目を通すと不思議な疾走感のある世界に変わります。
▲会場のひとつ「川風のガーデン」展示風景 | ▲川崎の風景を描いた作品 |
その展覧会の関連事業として、11月30日(土)に小学生および未就学児と保護者の方を対象としたワークショップを行いました。
御協力いただいたのは、多摩川に関連する様々な活動を行っている「多摩川を愛でる会」の村尾理枝さんです。このワークショップでは、山口さんの描く作品のように“風景を自分なりに見て表現すること”をテーマに、親子で多摩川の川べりを歩きながら気になる景色を写真撮影。撮った写真はみんなで鑑賞します。
まずは展示作品を鑑賞。どんなものが描かれているか、どこから見た景色なのかなど、山口さんの視点に触れながらお話ししました。
その後、気になる風景を探す時に使う、ハガキが入るサイズの白いフレームを配布。フレーム越しに見ると、普段気が付かないような風景が見つかるかも…?ここからは河原に移動して、風景ハンティング開始です。
▲展示会場から河原へ移動している様子
家族で多摩川沿いを歩くのも楽しい時間です。
▲河原に着いたらフレームを持って散策。
気になる風景が見つかったら撮影!
▲河原で話す講師の村尾さんとミュージアム職員。
こっそりハンティングされていました。
▲撮影は保護者の方のスマートフォンを使用。
どんなところが気になったのか、家族で話しながら撮影します。
この日は爽やかな秋晴れ。多摩川に反射する光や河原の植物など、青空の下で色々な風景が見つかります。
▲土手の階段と多摩川にかかる橋。虫を捕る弟さんの姿がフレームに入っているそうです。
▲着ている服に付いているスパンコールがフレームのふちに反射したところを撮ったとのこと。フレームそのものに注目した1枚。
30分間ほど風景を探した後、近くの施設「二ヶ領せせらぎ館」で撮った写真をみんなで鑑賞。同じ場所を歩いても、気になるものや見つけた風景は様々です。
参加した皆さんが撮影した写真はこちらからご覧いただけます。
今回は6家族(計17名)が参加してくださり、多くが川崎市にお住まいの方でした。普段から多摩川に行くことがあると思いますが、今回のワークショップを通して、何気なく目にするものを少し異なる見方でとらえる視点を持ってもらうきっかけになればと思います。
これからも市民ミュージアムでは、小さいお子さんと一緒に展覧会の作品を観たり、楽しみながら活動できるワークショップを実施していきます。
教育普及担当 杉浦