川崎市の文化振興を目的に毎年開催している「かわさき市美術展」は、今年度で57回を迎えます。作品の募集開始は9/29(金)。9/29からの作品募集開始にあわせ、今年もオンラインセミナーの配信がスタートしました。平面、写真、書と続いて、今年度のセミナーのテーマは「工芸」です。
「工芸」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。陶芸やガラス、漆や染織と、工芸の範囲はものすごく広いので、思い浮かぶものはきっと人それぞれだと思います。「工芸」といってピンとこない方も、「KOGEI」という文字の並びや「超絶技巧」という言葉を、見たり聞いたりしたことはあるかもしれませんね。
本セミナーでは、陶芸を中心に、工芸全般について、その魅力や今後の展望を交えながら陶芸家の三上亮先生にお話しいただきました。土をこねてみたり(触感が気持ちいい!)、器に水を(お酒のつもりで)入れて鑑賞してみたり。工芸への興味がきっと高まるはず!
ここではその収録の裏側をお伝えしたいと思います。
↑三上先生と、市美展セミナー撮影も4年目のY学芸員
収録の場所は、先生が教鞭をとっている上野にある東京藝術大学の陶芸研究室。先生のお部屋や、学生の皆さんが作陶する場所など、研究室内を移動しながら収録を進めました。実はここには、ある目論見が。それは、中高生といった若い世代の方々に大学の研究室の様子を伝え、工芸っておもしろそう、ここで学んでみたいと思ってもらうことです。
市美展には多くの中高生の皆さんがご応募くださっていますが、工芸作品を出品される生徒さんはとても少ないのが現実。これでは工芸の未来が危うい!ということで、大学内での収録を決めたのでした。
収録に先立ち研究室内の様々な場所をロケハン。
↑焼成前後の作品が並ぶ窯場横。「火迺要慎(ひのようじん)」のお札にもご注目
↑陶芸研究室は上野動物園の鳥類エリアと隣接。鳥の声を聴きながら、植木鉢として使用している作品を鑑賞中
↑収納棚には学生さんの作品がズラリ。うーん、どれも使ってみたい!
セミナーの内容は事前に確認し合っていましたが、いざ収録が始まると、ほぼその場でつくり上げるかたちに。でもそのために、より自然な流れで話が進んで、臨場感も感じられるセミナーになったのではないかと思います。
下の動画は、本編では使用していないものの、撮影を担当したY学芸員が公開するべし!と推す、あるシーンです。収録前の打ち合わせというか、雑談を撮影していたものなのですが、本編では話していない、深い内容も含まれていますので、是非こちらもご視聴ください。
↑こんな感じで打ち合わせ。先生も進行役もラフに話しているのはご容赦を!
以上、セミナー収録の裏側でした。
かわさき市美術展の事前申し込みの締め切りは、11/1(水)まで。事前にお申込みいただくと、作品の搬入がとってもスムーズです。もちろん当日受付も可能。皆さまのご参加をお待ちしております。
教育普及担当 奈良本
セミナーページ:https://www.kawasaki-museum.jp/event/28116/
市美展ページ :https://www.kawasaki-museum.jp/exhibition/28114/