▲夕やけ上映会のチラシ
2021年10月30日に等々力緑地内にある催し物広場にて「川崎市市民ミュージアム出張! 夕やけ上映会」を開催しました。令和元年東日本台風で被災して休館中のミュージアムを飛び出し、館としては初の試みとなる野外上映会です。当日は雲一つない秋晴れの空の下で、たくさんのお客様と一緒に『川崎市政ニュース映画』と『実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン』(1979)を2本立てで楽しむことができました。今回のブログでは当日の準備から上映が終わるまで、その裏側をご紹介します。
【10:00】
当日の雨が心配でしたが、天候に恵まれて安堵するスタッフ。夜の本番に向けて、準備前からそわそわしています。
▲被災直後からレスキュー活動をお手伝いしてもらっているスタッフと一緒に打ち合わせ中。上映活動も一緒に行える日が来るとは思いませんでした。被災から2年。ミュージアムの活動も少しずつ前に進んでいると感じます。
【11:00】
会場に持って行く荷物を台車に載せて、いざ搬入開始です。この椅子や机は全て、被災前にお客様に館内でご利用いただいていたものを使用しています。
▲上映会で使用するものを一旦トーマス転炉前に集めて、さあ出発です!
▲ミュージアム1階のラウンジで使用していた赤い椅子。現在はレスキュー活動の作業椅子として活躍しています。
▲馬鹿棒(同じ長さを何カ所も測る時などに用いる、必要な長さに切断した棒を指す建築用語)を用いて等間隔に椅子を並べていきます。
【12:00】
上映会の主役、スクリーンと映写機材が到着。足場を組んでスクリーンを張ります。実は今回、新品のスクリーンをお借りしての上映でした!スクリーン設置は株式会社東真トリニティーさん、映写は有限会社鈴木映画さんにご協力いただきました。
▲イントレと呼ばれる足場を組んでスクリーンを張っている様子。ちなみに「イントレ」は、D・W・グリフィス監督による映画『イントレランス』(1916)で、この足場を撮影に使用したことが語源なのだとか。
▲一から上映環境を作り出す移動映写。野外上映を実施する上で、会場面積に対するスクリーンの大きさや映写距離など、映画を観る環境づくりのポイントをご助言いただきました。今回の夕やけ上映会では、トラックの荷台が映写室になっています。
【16:00】
会場準備が整いました!上映会のタイトルにぴったりな、美しい夕焼け空です。
開場は16時30分。日中は暑いくらいだったのですが、段々と気温が下がってきました。
▲仕上げに客席のアルコール除菌を行いました。お客様が安全に楽しく映画を鑑賞できますように!
【16:30】
開場時間です。小さなお子様から、かつてウルトラマンが大好きな少年だった方々まで、幅広い世代のお客様にお越しいただきました。一夜限りの野外上映会、一緒に楽しみましょう!
▲開場風景。大人も子どもも皆さん嬉しそうなお顔が印象的で、開催が実現したことの喜びを感じました。
▲秋の日はつるべ落とし。17時前に日没してからあっという間に暗くなってきました。
【17:30】
上映会がスタート!まずは『川崎市政ニュース映画』から、4つのニュースをピックアップして上映。戦後から昭和の終わり頃の川崎市内の様子、約20年前の等々力緑地の様子が映された懐かしい映像をお楽しみいただきました。次に『実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン』(1979)を上映。スクリーンの怪獣たちに手を振るお子様の姿が印象的でした。
▲『川崎市政ニュース映画』上映中。
【19:30】
上映会が無事終了しました。上映後はミュージアム1階の映像ホール前に会場で使用した資材を撤収。翌日から館内でゆっくりお片付けしました。
今回は新型コロナウイルス感染拡大を受け止め、冬目前の開催となった夕やけ上映会。しかし、お客様とスタッフと、会場にいる全員で大きなスクリーンで映画を楽しみ、和やかに上映会を終えることができました。ご参加いただいた皆様、楽しんでくださいましたでしょうか?川崎市市民ミュージアムは今後もレスキュー活動を続けながら、皆さまに文化的な体験をお届けできるよう、アウトリーチ活動も続けてまいります。今後の活動にもご注目いただけると嬉しいです。
映画分野 村岡