当館の被災収蔵品レスキュー活動は様々な団体から多くの方々の協力や専門的な技術提供を受けて進めてまいりました。
「関係者コメントの記録」では、レスキュー作業に関わった方々と職員のコメントを紹介し、被災してからの当館の活動やどのような人々がレスキュー活動に関わってきたのかをお伝えしていきます。また、「被災収蔵品処置の記録 ―収蔵品を追う―」では、当館の収蔵品を紹介すると同時に、収蔵品に施した処置をお見せしながら、作品・資料の保存や修復についてご説明いたします。

関係者コメントの記録「一般社団法人国宝修理装潢師連盟 川崎市市民ミュージアム被災収蔵品レスキューに参加して」

私は初動時より紙を主体とする収蔵品のレスキューに関わらせて頂きました。被害のご報告を受けて現地に伺った際は、地下にはまだ水が残り、電気設備の故障のため照明もままならない状況でした。被災した作品を安定した…

はじめに

地階の収蔵庫に保管されていた川崎の歴史と市民の記憶を綴る貴重な資料およそ23万点。そのほとんどが2019年の台風19号により水損被害を受けてしまいました。すぐに被災資料のレスキュー作業を開始、202…