関係者コメントの記録「文化財防災センター 川崎市市民ミュージアムのレスキューに参加して」
川崎市市民ミュージアムのレスキューには、2月5日、7日、19日の3回参加しました。1回目は乾燥した絵画ポスターを段ボールの棚に収納する作業と額に入っているポスターの取り出し作業、2回目は考古資料の廊下への搬出作業、3回目は雑誌等資料の搬出作業です。川崎市市民ミュージアムには多種多様な資料が存在しており、それぞれに応じたレスキュー作業の計画と遂行は困難を極めるものであったと思います。2019年の10月12日に被災して以来、4か月目を迎えるという時期ではありましたが、まだかなりの資料が地下収蔵庫に残されていました。それでも、川崎市、指定管理者、神奈川県博物館協会等の県内ネットワークが中心となり、そこに全国の多くの文化財等関連団体が連携し、粛々とレスキューを進めた結果、多くの美術品や文化財が救出され、一時保管されるに至ったものと思います。当初の混乱はあったものの、レスキュー作業を円滑に進め、今後の方向性を探るためのミーティングが定期的に重ねられることにより、日々新たに直面する問題に対して、課題を整理し、それを次の作業に活かすというサイクルが確立されていったのではないでしょうか。その中で、このレスキューで得られた新たな知見等は、川崎市市民ミュージアムに留まらず、わが国、ひいては世界の文化財防災に対しても大いに活かされていくものと思います。
(掲載写真:被災後のミュージアムの外観)
文化財防災センター 高妻洋成
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