関係者コメントの記録「日本図書館協会 川崎市市民ミュージアムの資料救済に思う」

国立文化財機構文化財防災ネットワーク推進室からの呼びかけと川崎市からの支援要請に基づく国立国会図書館の救援活動に、日本図書館協会からも応援を行うこととなり、資料保存委員会からは眞野委員長、図書館災害対策委員会からは石田、川島、西野の3名、計4名が参加させていただきました。図書館災害対策委員会の3名は、被災した資料の本格的な救済作業にあたるのは今回が初めての経験であり、作業に支障が起きないよう、眞野氏より指示された作業に専念しましたが、どれだけの戦力になったかは定かではありません。

そうはいっても、私たちの見た被災現場は、想像を遥かに超えて広範囲で深刻な状況下にあったという印象はぬぐえません。作業の指揮をとられている職員の方々においては、救済作業の工程表の作成に始まり、様々な機器類の調達、作業グループの手配、対外機関への対応など、毎日が非日常の中での葛藤の連続だったろうと思われます。

令和元年台風第19号は、多摩川の世田谷区側では東京都市大学世田谷キャンパス図書館が、川崎市側では川崎市市民ミュージアムが、いずれも内水氾濫という建築当時には想定外であったと思われる災害が甚大な被害をもたらしましたが、今後の災害対策に多くの教訓を残したことは間違いないと思います。

(掲載写真:書籍の洗浄作業)


日本図書館協会図書館災害対策委員会 西野一夫 
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