川崎市市民ミュージアムは、令和元(2019)年10 月の台風19 号(令和元年東日本台風)により被災し、施設及び収蔵品に多大な被害が生じ、被災後には全国の博物館、美術館関係者の皆様から多大な御支援、御協力を賜り、被災収蔵品レスキュー活動を進め、併せて博物館、美術館活動を継続してまいりました。これまでに御支援、御協力くださった皆様の御厚情に対しまして改めて御礼を申し上げます。

 現在、市民ミュージアムは旧施設を廃止し、麻生区の仮設施設を拠点として、「IN ACTION」をテーマに、被災収蔵品の修復作業をはじめ、市内他施設でアウトリーチによる展覧会やワークショップ、出張形式での教育普及事業などを継続して実施しています。令和7 年2月には、被災した市民ミュージアムに代わる新しいミュージアムの整備に向け「新たなミュージアムに関する基本計画」を策定しましたが、この中でもアウトリーチ活動などを引き継ぎ、発展させ、市域の多くの場所で人々がミュージアム活動に触れられる「まちなかミュージアム」の活動を実施していくこととしております。

 新たなミュージアムが開設されるまでにはまだ多くの年月を要しますが、引き続き市内他施設やオンラインを活用して博物館、美術館活動、被災収蔵品レスキュー活動を実施してまいりますので、何卒、御支援、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。


令和7(2025)年4月
館長・井上強