オンライン展覧会「紙すくひと」
書籍や2024年に新たに発行された紙幣をはじめ、私たちの生活の様々な場面で使われている紙。なかでも日本で伝統的に作られてきた紙は、その美しさと強さから、日本画や木版画の用紙として、また、古い文書や美術作品の修復用紙として、多くのひとに愛されてきました。
本展では、当館の収蔵品や関連資料、被災後に行った修復事例を挙げながら、紙を漉き上げてきた職人や彼らを支えた者たち、紙を好いて重用した画家たち、傷んだ紙を救おうとする修復家らにスポットを当てていきます。
オンライン展覧会概要
- 期間:2024年12月13日(金)10:00 ~ 2025年3月31日(月)15:00
- 無料、申込不要
- 主催:川崎市市民ミュージアム
展覧会ページ:「the 3rd Area of “C”―3つめのミュージアム―」
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『新製日本畫紙案内』岩野平三郎著 大正14(1925)年 (越前市 越前和紙の里 紙の文化博物館所蔵) |
歌川広重(二代)《戯画浮世絵 江戸名所道戯尽五十浅草歳の市》 (川崎市市民ミュージアム所蔵) |
「越前紙漉図説」小林忠蔵書 明治5(1872)年 『越前紙漉資料集』平成5(1993)年 福井県和紙工業協同組合 (越前市 越前和紙の里 紙の文化博物館所蔵)より抜粋 |
展示構成
- 第1章 紙とは
そもそも紙とは何か、どのように造られているのか。伝統的な日本の紙について、代表的な3つの原料と、紙の製造工程を、写真や明治時代に描かれた絵図を紹介しながら解説します。
- 第2章 漉くひと、好くひと
当館の収蔵品の中から安田靫彦(やすだゆきひこ)などの日本画と浮世絵を取り上げ、1000年以上の技術を受け継ぎながら、その可能性を広げようとする紙漉き職人たちと彼らを支えた人びと、そして、彼らによって造られた紙を好み、それに絵筆を走らせた画家たちを紹介します。
- 第3章 救うひと
伝統的な日本の紙は、古い文書や、主に紙を支持体とした美術作品の修復にも使われています。ここでは、当館の収蔵品の修復を行った修復家へのインタビューを通じて、修復に使う紙や修復の実例を紹介します。
《東京名所之内 両国橋大川の景》 (当館所蔵) |
楮の花 令和6(2024)年4月に川崎市内(JR南武線久地駅周辺)で撮影 |
古い襖の裏張りに使われていた紙(楮紙) |
関連企画
◆講演会「民藝運動と和紙」
民藝運動の創始者である柳 宗悦は、和紙をどのように評価していたのか。この講座では、柳と和紙の出会いや、和紙を通して「美しき日本の姿」を再発見していった柳の活動を紹介します。また、和紙を用いた工芸品である芹沢 銈介の型染カレンダーについてお話しします。
講師:杉山 享司(日本民藝館常務理事)日時:2024年12月14日(土)13:30~15:00
会場:中原市民館 2階 第1会議室
定員:20名(要申込)
▼詳しくはイベントページ「民藝運動と和紙」をご覧ください
https://www.kawasaki-museum.jp/event/30784/
オンライン展覧会「紙すくひと」
- 期間
- 2024年12月13日-2025年03月31日