コレクション展 田名網敬一の楽園 空中回廊

アートギャラリー2・3 / 2019年07月09日-2019年08月25日

《夢・四十九夜》1986
©Keiichi Tanaami 川崎市市民ミュージアム蔵
《田名網敬一『ドゥローイング』展》1981
©Keiichi Tanaami 川崎市市民ミュージアム蔵
《空中回廊 IN THE AIR 田名網敬一展》1986
©Keiichi Tanaami 川崎市市民ミュージアム蔵

1980年代後半から90年代にかけて田名網敬一は、60年代と70年代を通じて探求を続けたポップスタイルから脱却し、「生と死」や「夢・記憶」をテーマにした作品を数多く手掛けています。無意識に呼び起こされるイメージへ関心を強めたこの時代の作品には、戦争により飽和状態に達していた幼少期の記憶や、大病を患った時に見た幻覚から霊感を得た奇異なモチーフが極彩色で彩られています。松や鶴といった吉祥的なモチーフと、それらを取り巻く不穏な色彩と構図といった相反するものが同居し混在する田名網の作品は、戦時中に作家の脳裏に焼き付いた残酷なイメージとその異様な美しさを、膨大な記憶の集積によって再構築させる試みといえます。

本展は、市民ミュージアムが収蔵する田名網敬一作品のうち、連作のペインティング《夢・四十九夜》(1986年)や、《ハリウッド・スターダスト》(1986年)シリーズ18点を一堂に公開するほか、70年代後半から90年代にかけて制作されたポスター・版画作品などを展示し、現在の創作活動に至るまで常に作家に鮮烈な印象を与え続ける田名網の「記憶」を辿ります。


見どころ

田名網敬一の「原風景」のイメージと技法をご紹介します。

田名網の私的な記憶や夢に登場するモチーフが描かれた連作《夢・四十九夜》(1986年)や、まとまって展示される機会が少なかった《ハリウッド・スターダスト》(1986年)シリーズ全18点を一堂に公開します。作品に散りばめられた作家の「原風景」ともいえるイメージと、現在の創作活動にも通じる「コラージュ」の技法を用いた作品をご堪能いただけます。


田名網敬一 プロフィール

1936年東京都生まれ。1958年武蔵野美術学校(現:武蔵野美術大学)を卒業。1991年より京都造形芸術大学大学院教授。1960年代より、グラフィックデザイナー、映像作家、アーティストとして、その境界を積極的に横断して創作活動を展開。近年の活動では、adidas Originalsとのコラボレーションによる「adicolor by Tanaami」コレクションの発表(2019年)、個展「Keiichi Tanaami」(Kunstmuseum Luzern、スイス、2019年)の開催などがある。



関連プログラム

担当学芸員によるギャラリーツアー
  • 7月27日(土)、8月24日(土)各日14:00~
  • 会場:2F アートギャラリー2・3/当日直接会場へ
ワークショップ&レクチャー

本イベントは、都合により開催を中止させて頂く事となりました。

  • 8月3日(土)16:00~17:30
  • 場所:3F 体験学習室/対象:中学生以上/定員:20名程度/料金:1,000円


コレクション展 田名網敬一の楽園 空中回廊

会場
アートギャラリー2・3
期間
2019年07月09日-2019年08月25日
休館日
月曜日(ただし7月15日、8月12日は開館)、7月16日(火)、8月13日(火)
観覧料
一般 無料
学生・65歳以上 無料
中学生以下 無料
主催
川崎市市民ミュージアム
協力
NANZUKA
特記事項
※夏休み期間の土曜日(7月20日・27日・8月3日・10日・17日)は19:00まで開館延長