宇野重吉特集 ~没後30周年~
概要
没後30周年を記念して名優・宇野重吉(1914-1988)を特集します。新藤兼人、山本薩夫、吉村公三郎、清水宏といった監督たちと組んだ傑作群に加えて、宇野重吉による監督作品も上映します。
上映日:2018年5月12日(土)~6月30日(土)の土日【全13日間】
※ただし6月2日(土)・3日(日)は休映。
※お知らせ※
2018年4月より午前の上映開始時刻が「11:00~」に変更となります。
それに伴い、朝のチケット販売時間は「10:00~(12:00まで)」となります。
【チケット販売時間/当日券のみ】
朝の販売時間は10:00~(12:00まで)→午前・午後の2回分とも販売
昼の販売時間は13:00~(15:00まで)→午後の1回分を販売
※定員270名(各回入れ替え制)、開場は15分前です。
※前売り券はありません。当日先着順での販売となります(満員の際は入場をお断りすることがあります)。
- 入場料金(1プログラムにつき)
- 一般600円
- 大学・高校生・65歳以上500円
- 小中学生400円
- 未就学児、障害者手帳等をお持ちの方及びその介護者無料
各種割引料金をご利用の方は、生徒手帳・学生証・障害者手帳など、証明できる書類等(原本)を必ずご提示ください。
『愛妻物語』
©KADOKAWA1951
- 上映日
- 2018年5月12日(土)11:00~
2018年5月20日(日)11:00~
1951年/モノクロ/35mm/スタンダード/96分
監督:新藤兼人/出演:乙羽信子、宇野重吉、滝沢修、殿山泰司、菅井一郎、清水将夫
新藤兼人が39歳で宿願の監督デビューを飾った自伝的要素が色濃い作品。宇野扮する若き脚本家と、その修行時代を献身的に支えた妻との夫婦愛のドラマが展開される。本作で新藤兼人監督作品に初主演した乙羽信子にとっても女優としての地位を築いた転機となった。
『あやに愛(かな)しき』
- 上映日
- 2018年5月12日(土)14:00~
2018年5月27日(日)11:00~
2018年6月30日(土)11:00~
1956年/モノクロ/35mm/スタンダード/108分
監督:宇野重吉/出演:田中絹代、信欣三、東野英治郎、山田五十鈴、奈良岡朋子
宇野重吉が初めて監督を手がけるにあたり、上林暁の病妻小説を原作に新藤兼人が脚本を書き下ろした。精神に変調をきたした妻を看病しながら、そのことを私小説に書かざるをえない小説家の苦悩を描く。本作では宇野は演出に徹し、劇団民藝の俳優たちが総出演した。
『しいのみ学園』
- 上映日
- 2018年5月13日(日)11:00~
2018年5月27日(日)14:00~
2018年6月23日(土)11:00~
1955年/モノクロ/16mm/スタンダード/99分
監督:清水宏/出演:宇野重吉、花井蘭子、河原崎健三、岩下亮、香川京子、島崎雪子
大学教授夫妻は自らの息子たちが小児麻痺のため小学校で差別されていることを悩み、私財を投じて小児麻痺の児童たちのために学校を作る。宇野は優しい父親かつ包容力ある教育者を演じた。養護学校の先駆的存在・山本三郎のベストセラーになった実話をもとに映画化。
『金環蝕』
©KADOKAWA1975
- 上映日
- 2018年5月13日(日)14:00~
2018年5月20日(日)14:00~
1975年/カラー/35mm/スタンダード/155分
監督:山本薩夫/出演:仲代達矢、宇野重吉、三國連太郎、西村晃、京マチ子、中村玉緒
九頭竜川ダム汚職事件の実話にもとづく石川達三の小説を映画化した、山本薩夫の社会派エンターテイメント大作。どす黒い悪徳がオールスターキャストでめくるめく展開する。珍しく悪役の宇野は成り上がりの闇金王としてゲスの限りを尽くし、政治エリートたちを手玉に謀略をしかける。
『縮図』
- 上映日
- 2018年5月19日(土)11:00~
2018年6月17日(日)11:00~
1953年/モノクロ/35mm/スタンダード/131分
監督:新藤兼人/出演:乙羽信子、殿山泰司、菅井一郎、日高澄子、山田五十鈴、滝沢修
昭和初期、貧困ゆえ家族のために芸者になるしかなかったヒロインの転落物語。その父親である下町の靴職人を宇野が寡黙に演じる。日本の自然主義文学の最高峰として評価の高い徳田秋声の同名小説を映画化。戦争に向かう暗い世相の苦難が縮図として弱き女性に振りかかる。
『夜明け前』
- 上映日
- 2018年5月19日(土)14:00~
2018年6月17日(日)14:00~
2018年6月23日(土)14:00~
1953年/モノクロ/35mm/スタンダード/142分
監督:吉村公三郎/出演:滝沢修、乙羽信子、宇野重吉、清水将夫、細川ちか子、小夜福子
幕末から明治にかけて、中山道宿場町の本陣庄屋の17代目・半蔵は理想に燃えて村の改革に挑むが、世相に翻弄される。島崎藤村が実父をモデルにした歴史小説を原作にした文芸大作映画。劇団民藝総出演。宇野の出番は少ないながらも重厚な演技を見せるほか、ナレーションを担当。
『硫黄島』
- 上映日
- 2018年5月26日(土)11:00~
2018年6月10日(日)11:00~
2018年6月30日(土)14:00~
1959年/モノクロ/35mm/シネマスコープ/88分
監督:宇野重吉/出演:大坂志郎、小高雄二、芦川いづみ、佐野浅夫、山内明、小沢栄太郎
太平洋戦争の激戦地・硫黄島の生き残りだという男が新聞記者に自らの体験を語るが、次第に、戦争体験の重荷を背負う運命の過酷さが浮き彫りになる。同時代の視点で従軍体験を捉え、無名の市民たちが抱える戦争の傷跡を描いた心理ドラマ。菊村到の芥川賞受賞作を映画化。
『人間の壁』
- 上映日
- 2018年5月26日(土)14:00~
2018年6月10日(日)14:00~
2018年6月16日(土)14:00~
1959年/モノクロ/35mm/シネマスコープ/146分
監督:山本薩夫/出演:香川京子、宇野重吉、高橋昌也、宇津井健、高橋とよ、三ツ矢歌子
小学校教師たちの労働問題を描いた群像ドラマ。佐賀県教職員組合の実話にもとづく石川達三の小説の映画化。右傾化の世相の中で職場に対する締めつけが強まり、若手女教師たちは団結する。宇野は子供思いの実直な教師を演じ、毎日映画コンクール男優助演賞を受賞。
『第五福竜丸』
- 上映日
- 2018年6月9日(土)11:00~
2018年6月16日(土)11:00~
2018年6月24日(日)11:00~
1959年/モノクロ/35mm/シネマスコープ/107分
監督:新藤兼人/出演:宇野重吉、乙羽信子、稲葉義男、小沢栄太郎、千田是也、三島雅夫
米国による水爆実験で被曝したマグロ漁船乗組員たちの実話を映画化。宇野は無線長・久保山に扮し、四十歳として最年長の乗組員であり、飄々と生きた海の男が原爆症により半年後に死を迎えるまでを演じる。『愛妻物語』『銀心中』に続く新藤作品3度目の乙羽信子との夫婦役。
『ドレイ工場』
- 上映日
- 2018年6月9日(土)14:00~
2018年6月24日(日)14:00~
1968年/モノクロ/35mm/シネマスコープ/144分
監督:武田敦/出演:前田吟、日色ともゑ、草薙幸二郎、宇野重吉、高城淳一、杉村春子
低賃金と過酷な条件の工場で働く労働者たちが団結して立ち上がったという実話をもとに、労働組合や団体・個人などからの資金カンパによって映画化が実現。山本薩夫が総監督としてバックアップした。宇野は、昔気質の頑固な鋳物職人でいぶし銀の存在感を発揮。