アニメ あらかると! いろいろ色のアニメーション
概要
「アニメ あらかると!」では、バラエティ豊かなアニメーションの世界をご紹介します。今回のテーマは「色」。カラーフィルムが発明される前は白黒の映像が主流でしたが、フィルムを染色するなど豊かな色を表現した映画もありました。そんな時代に様々な技法で制作された色とりどりのアニメーションを映写機を使ってフィルムで上映します。また、サイレント作品は昨年も大好評だった伴奏・活弁つきでお届け。上映の合間には学芸員が作品の技術や歴史を解説します。映画のカラー技術史をたどりながら、アニメーションの世界をお楽しみください。
開催概要
日時:2025年3月22日(土)13:30~15:15(受付・入場開始12:30)
料金:一般600円、小中高生400円、未就学児・障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
定員:110名(自由席)
※ベビーカー、車いすでの入場可(申込時に備考欄にご記入ください)
※小さなお子様は保護者同伴でご参加ください
会場:川崎市総合自治会館 ホール(中原区小杉町3丁目600番 コスギ サード アヴェニュー4階)
申込:事前申込制 当Webページの申込フォームから
申込期間 2025年2月7日(金)10:00 ~ 2月28日(金)16:00
※1組4名まで応募可
※申込多数の場合は抽選(当選者のみに3/10[月]までに入場券となるハガキを送りします)
主催:川崎市市民ミュージアム
協力:国立映画アーカイブ、カナダ国立映画制作庁
技術協力:有限会社鈴木映画
お申し込み方法
当上映会は事前申込制です。申込フォームからお申し込みください
申込期間 2025年2月7日(金)10:00 ~ 2月28日(金)16:00
《申込フォームには2月7日(金)10:00からアクセスできます》
◆1組4名まで応募可
◆申込多数の場合は抽選。当選者のみに3/10(月)までにハガキをお送りいたします。(当選されなかった方にご連絡はいたしませんのでご了承ください)
※フォーム内で参加される総人数および料金ごとの人数内訳をお選びください
※当館からのメール(@kawasaki-museum.com)が受信できるよう、事前にドメイン設定をお願いいたします
※ベビーカー、車いすでの観覧をご希望の方は、申込時に備考欄にその旨ご記入ください
※当館からお送りしたメールは迷惑メールに振り分けされる場合がございます。念のため迷惑メールフォルダもご確認ください
※当選された方にお送りするハガキは、受付時に必要になりますので、大切に保管いただき、上映会当日必ずお持ちください。
上映作品
染色のアニメーション
白黒フィルムしかなかった時代、フィルムを染料で染めて色をつけていました。シーンに合わせて色を変えるなど、表現の工夫がみられます。本上映会では、当時と同じ手法で白黒フィルムを染色して復元されたフィルムを上映します。美しい染色フィルム上映をご体感ください。
なまくら刀【新最長版】
(1917年/監督:幸内純一/4分/35㎜/染色/16fps)
製作:小林商会
フィルム・画像提供:国立映画アーカイブ
原版協力:松本夏樹氏、本地陽彦氏
★伴奏・活弁つき上映
日本に現存する最古のアニメーション。今回上映するのは、現在見つかっている「なまくら刀」の中で最も長いバージョンのもの。
だまされて、なまくら刀を購入した武士が試し切りをしようと飛脚などに襲いかかるが…。
漫画 二つの世界
(1929年/監督:村田安司/15分/35㎜/染色/18fps)
製作:文部省
フィルム・画像提供:国立映画アーカイブ
★伴奏・活弁つき上映
精細な昆虫の絵が美しい切り絵によるアニメーション。効果的に使われた染色の使い方も見どころです。
イソップ童話の「アリとキリギリス」を題材に製作。勤勉なアリの親子、昼間から酒を飲むヒキガエルの爺さん、優雅なキリギリスの青年とチョウのお嬢さん達が繰り出す物語。
春の唄
(1931年/監督:大藤信郎/3分/35㎜/染色/16fps)
製作:千代紙映画社
フィルム・画像提供:国立映画アーカイブ
協力:神戸映画資料館
★伴奏・活弁つき上映
千代紙の切り絵を使って制作された、大藤信郎によるアニメーション。パテ・ベビーというアマチュア用に販売されていた9.5ミリフィルムから復元されたフィルムを紹介します。当時は指定の対応するSPレコードの音を同期させて上映していました。
「春の唄」の歌に合わせ、ユニークなキャラクターたちが踊る作品。
キネマカラー
キネマカラーは1906年に発明されたカラー映画技術で、白黒フィルムを赤と緑2色のフィルターを使って1コマずつ交互に撮影し、映写時も2色のフィルターを通して赤と緑の画像を交互に見せることで、目の残像で色が重なりスクリーン上で天然色に見える仕組みです。
今回上映する作品は、上映時にフィルターと同じ効果が出るようにフィルム自体を赤と緑に着色した抽象的なアニメーションです。どんな色が見えてくるか、確かめてみてください!
AN EXPRESSION[表現]
(1935年/監督:荻野茂二/4分/ブルーレイ/カラー/32fps)
フィルム・画像提供:国立映画アーカイブ
★伴奏つき上映
※キネマカラーの映写スピードを再現するため、この作品のみデジタルで上映します。
▲画像は作品フィルムの3コマ。赤と緑に交互に着色されていることが分かる。
最初期の映画カラーフィルムで撮影したセル画のアニメーション
1935年に最初の映画用カラーリバーサルフィルムであるコダクロームが登場し、日本でも販売されました。戦前からカラー映画の研究をしていた大藤信郎は早速カラーのセル画アニメーション『カツラ姫』の制作を開始します。
本作はそんな大藤の制作風景を、コダクロームで撮影した記録映画で、日本で1930年頃から始まったセル画制作の工程も見どころです。
色彩漫画の出來る迄【サイレント版】
(1937年/監督:荻野茂二 出演:大藤信郎 /5分/35㎜/カラー/16fps)
フィルム・画像提供:国立映画アーカイブ
★伴奏・活弁つき上映
ダイレクトペイントのアニメーション
ダイレクトペイントは、カメラで撮影せずフィルムに直接描く手法で、フィルムを削ったり、絵の具をのせたり、物を貼り付けるなど表現は様々です。日本の作家にも影響を与えたノーマン・マクラレンの作品の中から、フィルムにエッチングやペイントをした作品を上映します。
色彩幻想-過去のつまらぬ気がかり(Begone Dull Care)
(1949年/アニメーション:ノーマン・マクラレン、イブリン・ランバート 音楽:オスカー・ピーターソン・トリオ /8分/16㎜/カラー )
製作:カナダ国立映画制作庁(NFB)
国産カラーフィルムで撮影した色セロファンのアニメーション
1950年代になるとカラーフィルムのネガ・ポジでの製作ができるようになり、国産のカラーフィルムを使った映画製作が始まりました。大藤信郎がフジカラーフィルムで撮影した、美しい色セロファンの影絵映画を紹介します。
幽霊船(YUUREISEN)【デジタル復元版】
(1956年/監督:大藤信郎/11分/35㎜/カラー )
フィルム提供:国立映画アーカイブ
©映像文化製作者連盟
川崎市市民ミュージアム オリジナルアニメーション
25名のアニメーション作家とワークショップ参加者が、市民ミュージアムのロゴマークを題材に制作した、カラフルな作風が楽しい連作アニメーションです。
アニメ あ・ら・かると
(1989年/演出:福島治 音楽:美尾洋乃 企画・製作:川崎市市民ミュージアム/10分/35㎜/カラー )
主な参加作家:鈴木伸一、藤幡正樹、山根恵子、伊藤徳彦、保江圓、ダニカ・ベネット、石田卓也、小野耕世、岩井俊雄、古川タク、林静一、山村浩二、浅野優子、関口和博、IKIF、相原信洋、古屋和斉、南家こうじ、福島治、久里洋二 ほか
昨年11月に開催したワークショップ「さわれるシネマ 染めてお絵描き!映画のフィルムでアニメーションをつくってみよう」に参加した皆様の作品も会場で上映します |
出演者
◆ピアノ伴奏
柳下 美恵 Mie Yanashita
サイレント映画ピアニスト。1995年、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。国内、海外の映画館、映画祭などで伴奏、ボローニャ復元映画祭にレギュラーピアニストとして招聘された。親子向けの上映会や映画音楽ワークショップ講師なども勤める。 NHKプチプチアニメ『けいとのようせいニットとウール』の音楽を2015年より担当。
◆活動弁士
尾田 直彪 Takatora Oda
2000年、熊本県出身。2021年10月、60年以上続く都内定期開催の活弁公演「無声映画鑑賞会」でデビュー。22年より、国立映画アーカイブ「こども映画館」に出演。地元九州でも精力的に活弁公演を開催しており、現在最も若い活動弁士として活躍している。澤登翠門下。
※無声映画の(活動写真)に専任の活動弁士が内容や台詞の解説をつけること。解説者を活動写真弁士(略して活動弁士、または弁士)と呼ぶ。
会場案内
川崎市総合自治会館 ホール
〒211-0063
神奈川県川崎市中原区小杉町3丁目600番 コスギ サード アヴェニュー4階
交通:JR南武線武蔵小杉駅(西口)、東急東横線・目黒線武蔵小杉駅(南口)から徒歩2分、JR横須賀線武蔵小杉駅(新南口)から 徒歩10分
※駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。