教育普及

 子どもから大人まで、市民の皆さんが川崎の歴史や美術作品に親しみ、知識・理解を深めることができるよう、様々な講座やワークショップを実施します。当館学芸員の他、美術作家や専門家が講師やファシリテーターを担当します。

ミュージアムプログラム

ミュージアムプログラム 美術や川崎市域の歴史、当館主催の展覧会などへの理解を一層深めるための座学講座やワークショップを実施します。より多くの、また多様な方々にご参加いただけるよう、オンラインで実施しているプログラムもあります。


開催中、または開催予定のプログラム
終了したプログラム(2024年度)



スクールプログラム

 川崎市市民ミュージアムは 1988( 昭和63)年 11 月、「都市と人間」を基本テーマとして中原区等々力に開館し、今日の私たちの暮らしに深い関わりをもち、都市文化の形成に大きな役割を果たしてきたポスター、 版画、写真、漫画、映画、映像といった複製技術による芸術作品、川崎に関連する考古・歴史・民俗資料及び芸術家の作品を収集してきました。スクールプログラムでは、主に歴史的な内容を扱う「博物館プログラム」、美術に関する内容を扱う「美術館プログラム」、ミュージアムの仕事を紹介する「職業紹介」など、学校の要望に応じて授業を行います。学校の授業以外にも部活動や寺子屋事業でも実施可能です。

・体験を伴う内容は、当館学芸員が学校等に出向いて行う「出張形式」で行います。ご用意いただく道具等は特にありません。
・教材の貸出等は、送付または当館まで受け取りにお越しいただきます。
<申込の流れ>
1.希望する内容や相談したい事柄等が決まったら、まずはお電話またはメールでご連絡をお願いします。
   ≪連絡先≫
   TEL:044-712-2800(月~金 8:30~17:15、年末年始・祝祭日を除く)
   Mailedu_kcm@kawasaki-museum.com
2.担当職員が希望プログラムや実施希望日時等を確認します。実施内容が確定後、「スクールプログラム申込用紙」をご記入のうえ当館宛にお送りください(メール・逓送便・郵送・FAXのいずれか)。
   スクールプログラム 申込用紙
3.実施に向けて、必要に応じて打合せ等を行います。
4.体験を伴う内容は、お約束の時間に職員が学校へうかがい、実施します。
  教材の貸出は、ご希望の時期に送付または当館まで受け取りにお越しいただきます。
  (※使用後は返却日までにお返しください)
5.実施後、アンケートへの回答をお願いします。
  今後のプログラムの参考にしますので、ご協力をお願いいたします。

 

【博物館プログラム】

 勾玉(まがたま)づくり (所要時間:約90分/定員:約20名 ※応相談)

  「古代のアクセサリー」とよばれる勾玉。やわらかい石を削ってオリジナルの勾玉をつくり、紐をとおして仕上げます。自ら手を動かす作業を通して、古代の人々の文化の一端を身近に感じることができます。

<授業のながれ>
①勾玉とはどのようなものか、どんな形があるか等を職員がお話します。
※内容は学年や授業目的に応じて変更します。
②その後、一人ひとつずつ「滑石」という種類の石をヤスリを使って削り、勾玉の形を作ります。
最後に紐を通して完成させます。

勾玉について説明 一人ひとつずつ制作 完成した勾玉

火おこし体験(所要時間:約45分/定員:約30名)

 舞錐式(まいぎりしき)という方法で、古代の人々と同じ方法での火おこしに挑戦します。火おこしの体験を通して、古代の人々と火の関係を身近に感じ、歴史への関心を高めることを目的に行います。

<授業のながれ>
①授業を受ける学年や授業目的に応じて、古代の人の暮らしや火との関わりについてお話します。
②5~6名のグループに分かれて、当館職員がやり方を説明しながら交代で火おこしに挑戦し、摩擦によって小さな火(種火)を作るところまで体験します。
③種火ができたら、ミュージアム職員が息を吹きかけ、握りこぶし大程度の大きさの炎にします。
(やけどの危険があるため、基本的に職員が行います)
④炎ができたら、すぐに水を張ったバケツに入れます。
⑤最後に、やってみた感想などを共有します。

火起こしに用いる道具 摩擦によって種火ができます 息を吹きかけて炎にします (職員が担当)

地域の歴史を学ぶ(所要時間および定員:希望に応じて調整します)

 授業の目的に応じて地域の歴史や川崎の歩みを紹介します。小学校から高校まで、授業はもちろん部活動などでも実施可能です。内容はお気軽にご相談ください。

<これまでの授業例>
①小学6年生 社会科の授業 (45分間)
 学校からのリクエスト
 …小学6年生が地域の歴史を学ぶ学習を行っているので、学校の近くにある子母口貝塚や橘樹神社などの歴史を紹介してほしい。
 →縄文時代の川崎の地形や橘樹神社の歴史などについて、写真や地図を交えて紹介しました。

(使用した資料)   (2023年6月実施時の様子)

②高校3年生 歴史の授業 (45分間)
 学校からのリクエスト
 …高校3年生が地域の文化や歴史に触れる機会を作りたい。
 →普段何気なく目にする物にも様々な歴史があることを伝えるため、昭和期に多摩川で採取され建築資材として重用された「砂利」について、採掘や鉄道での運搬方法等に触れながら紹介しました。

(使用した資料)

昭和期の川崎市の風景写真データ 貸し出し

 川崎市では1957(昭和32)年から「川崎市写真コンクール」という写真の公募展が行われてきました。川崎市在住・在勤者を対象に市内を撮影した写真を募集したもので、当館では開始当初から昭和60年代までの写真およそ6000枚の画像データを収蔵しています。そこには当時の川崎の様々な風景が写されており、多摩川で遊ぶ人々や高度経済成長期に発展を遂げた工業地帯など、昭和期の川崎市の様子を窺い知ることができます。昔の川崎の様子を知る資料として授業にご活用いただけるよう、データの貸し出しを行います。

 「工業地帯の風景」「子どもの学校生活の様子」など、具体的に見たい風景がある場合はご連絡ください。どのような写真があるのか確認してから使用を検討したい場合は、ご案内しますのでその旨お伝えください。

(例)

沿岸部の石油コンビナートと材木置場【1966(昭和41)年】 うんていで遊ぶ子ども【1962(昭和37)年】

 

【美術館プログラム】

ゾートロープ体験 (所要時間:約45分/定員:約20名 ※応相談)

 現在は、CGなど様々な技術を用いて作られているアニメーション。その原点は「フェナキストスコープ」や「ゾートロープ」とよばれる、視覚効果を利用して絵が動いているように見える仕掛けが施された装置です。このプログラムでは、絵が動いて見える仕組みを体験を通して理解し、幅広い年代に親しまれているアニメーションの源流に触れます。

<授業のながれ>
①絵が動いて見える理由や、アニメ―ションの歴史について紹介します。※内容は学年や授業目的に合わせて変更します。
②ミュージアムのゾートロープなどを演示・回覧して実際に絵が動いて見える様子を確認します。
③細長い紙にコマ割りが描かれたゾートロープの台紙(等間隔で縦の線が引かれた状態)を配布し、動いて見えるように工夫しながら絵を描きます。
④自分で描いた絵をゾートロープにセットして動かし、絵が動いて見える様子を他の人と一緒に鑑賞し、感想などを発表します。

ゾートロープ 交代でゾートロープを鑑賞する様子

アートカードセット 貸し出し

 アートカードセットは、当館が収蔵する美術作品が印刷されたA6サイズのカードセットです(1セット37枚)。カードを用いて様々な遊びを行うことで、幅広い時代の多様な表現に触れることや、作品を観て思ったことや考えたことを言葉にする能力などを養うことができます。
 4~6名で1セットを使用することを目安に、必要なセット数を約1ヶ月間貸し出します。
 具体的な使用方法等は、セットに付属している冊子に記載してあります。

アートカードセットの内容

(左の箱に入った状態で送付します) (作品例)    
37枚のカードと使用方法を記載した冊子を1セットとして、箱に入っています ≪ジャヌ・アヴリル≫
アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック
≪青物づくしはんじもの≫
歌川広重 二代
≪シーサー≫
制作者不明
    • ▼使い方紹介(動画)


【その他】

 「総合的な学習の時間」での博物館の仕事紹介等、ご相談に応じて実施します。

(2021年1月 実施時の様子)
社会科教育推進事業
蛇籠

 社会科教育の充実のため、学芸員が申し込みのあった学校(川崎市立小学校4年生対象)に出向いて二ヶ領用水に関する授業を行い、川崎の文化財への理解を深めます。体験グッズの貸し出しやワークブックの配布も行っています。

・令和6(2024)年度実施要項 (PDF/約1630KB)
・令和6(2024)年度申込書 (PDF/約500KB)
・申込フォーム


 ・令和6(2024)年度 社会科教育推進事業 出張授業/体験グッズ貸出 申込状況【8月30日現在】

 お問い合わせ TEL: 044-712-2800(月~金 8:30~17:15、祝祭日・年末年始を除く)


公募展

市美展アイコン

 50年以上の歴史をもつ「かわさき市美術展」を行います。平面、彫刻・立体造形、工芸、書、写真、中高生の6部門で作品の公募を行い、入選・入賞作品を展示します。来場者の投票による「市民賞」の設置など、鑑賞に着目した取り組みも展開しています。
2024年度(第58回)の詳細はこちらから


ボランティア

 当館には、ミュージアムの活動を支えるボランティア組織があります。現在は、収蔵品レスキュー作業(博物館部門/古文書レスキュー)への協力が主な活動内容となっています。
※現在、新たなボランティア募集は行っておりません。